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2011年12月31日 (土)

千四百十六: NHKスペシャル『山田洋次・SLを撮る』を見て

大晦日の大掃除をしている間、不意にテレビの前を通り過ぎると、NHKスペシャル『山田洋次・SLを撮る  よみがえった名機関車』が目に入りました。
私は自分の大掃除の手を、しばし止めて、テレビを見始めました。

「新しく機関車を作ろう」というのではなく、ある場所に保存されていた機関車を修復して、それを走らせよう、という試みでした。
当然、鉄道ファンで無い人でも、その修復作業の難しさが予想できると思うのです。
ある程度、難しいプロジェクトと言えるでしょう。

テレビを見ていたら、やはり、ある場所に保存されていた機関車の内部にはかなりの錆や亀裂などが入っており、とうてい、そのままで使用できる状態ではありません。
その機関車を一つ一つ分解するのにも、かなり、手間がかかっていました。
また、その機関車の車体に大きく穴の開いた部分もありました。
その穴を修復しても、別の箇所に悪影響がありそうでした。
また、SLのシリンダー部分の撮影などもされており、昔のメディアでは、当然、資料が残されていなかったかと思われます。
SLが最後に作られたのが、戦後間もなくだったらしいので、画像に残されていない部分だったのでしょう。
貴重な映像にもなったかと思われます。

また、ボイラー部分も一つ一つ丁寧に分解されていきました。
そして、ボイラー部分を組み立てる時に、リベット接合と呼ばれる、現在ではほとんど使われていない技術がそのまま使われました。
つまり、日本というのは、忘れ去られようとしている技術でさえも、修復可能なことを意味しているかと思います。
「新しい技術を生み出そう」というのは、普通、誰でも考えることでしょうが、「忘れ去られようとしている技術を継承しよう」という試みも、日本は上手いことを意味しているかと思います。

確かに、現在では、日本刀はほとんど製造されませんが、ごく少数の人に伝承されていることを私達、日本人は知っています。
やはり、日本人の温故知新の精神を学ぶことが出来ます。

そして、何年間かの時間をかけて、ついに、SLは完全に修復されて、本当のレールの上を走ります。
確かに、新幹線のように速く走らないでしょうが、私達があのSLの懐かしみを感じるのはなぜでしょうか、、、
あの汽笛の鳴り具合と走る様が良いのでしょうか、、、

SLファンは多いと聞きますが、確かに、「SLのどこが良いのか?」と他の人から尋ねられても、あまり、明確な答えは誰も出せないのではないかと思います。
登山家の人に、「なぜ、あなたはそんな危険な思いをしてまで、山に登るのですか?」と、私達が尋ねても、登山家が「そこに山があるからだ」と返事をされるのに似ていると思います。

ともあれ、また新たな意味でのプロジェクトXが誕生したかと私は思いました。Img7d9406586580
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追加です(2012/1/1)。

登山家のエピソードを上に書きました。
それから考えると、SLファンで無い人がSLファンの人に、「なぜ、あなたはそんなにSLが好きなのですか?」と、尋ねても、きっと、SLファンは「目の前にSLが走っているからだ」と返事をするかもしれないですね。
              
              
                             
              
                坂本  誠

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