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2011年11月19日 (土)

千三百六十二: 映画『夢』について

こんばんわ。

久しぶりの映画ものです。
黒澤明監督の『夢』を見ました。

短編映画のオムニバスで、八編の短編映画で構成されています。
色々な映画を取り扱う会社が、この八編の短編映画に名付けをしています。
しかし、黒澤明は、一つ一つの夢にタイトルを付けていません。Img7d92cb71b6dc
ただ、一言、

    「こんな夢を見た,,,」
               
で、各短編映画は始まります。

色々と映画を評したり、見た人がそれぞれの作品を分類するために、適当に各映画にタイトル名を付けていることがわかります。
一応、私もこの映画のことを語るために、それぞれの作品に名前を付けておきます。

    第一話:『狐の嫁入り』
    第二話:『桃の精とひな祭り』
    第三話:『雪女』
    第四話:『帰還兵』
    第五話:『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと』
    第六話:『富士山爆発』
    第七話:『地獄の鬼たち』
    第八話:『水車村にて』
   
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黒澤明の言葉、「こんな夢を見た,,,」で始まるように、この映画は黒澤明の夢の内容を、映画化したものだということがわかります。

普通、私達でも、夢を見ると、その夢の中で不思議な体験をするものです。
ですから、黒澤明の夢の不思議な体験が、この映画で一つ一つ語られているのです。
ある程度、映画用にその夢に脚色した部分もあるかもしれませんが、その辺りについては、黒澤明は何も語っていません。
ですから、私達はストレートにその映画の内容をそのまま受け取るべきでしょう。
ただ、大変に美しい画像と美しい音楽とインパクトの迫る画像が多いので、この映画の視聴者は驚くでしょう。
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多くの短編のあらすじを書いて、私なりの考えを書こうかと思いましたが、止めておくことにしました。
ほんのちょっとしたあらすじを書いて、私の考えを述べることにします。

私の言いたいことを考えながら、短編の主題を伝えていきたいかと思います。
しかし、その短編自体が黒澤明の見た夢であり、本当に黒澤明の伝えたいことが画像で描かれているのか、それとも、違うメッセージを私達に伝えたいのか、これも私達にはわかりません。
なぜならば、私達でも睡眠中に夢を見ますが、その夢が何を意味しているのかわからない人がほとんどだからです。
ですので、この映画を見る一人一人に、その映画の解釈を委ねられるのです。

●第六話:『富士山爆発』

この短編では、富士山が爆発します。
そして、その富士山の爆発が起こりましたから、地震等が発生し、なんと、富士山の周りに作られていた6つの原子力発電所も順に爆発していくのです。
人々は恐怖で逃げまどいます。
その中の我が子を連れて逃げる、ある主婦のセリフを引用させて頂きますと、
   
  「でもねえ!  『原発は安全だ。  危険なのは操作のミスで、原発そのものに危険は無い。  絶対、ミスは犯さないから問題は無い』って、ぬかした奴等、、、!」
       
です。
この後の凄いセリフを知りたければ、どうか、この映画を直接見てください。
   
   
●第七話:『地獄の鬼たち』

この短編では、水爆やミサイルの投下により、地上で放射能で汚染され、結果、砂漠の広がる大地が出てきます。
黒澤はそこを一人で歩いているのです。
そして、放射能汚染で頭に角の生えた鬼に出会います。
放射能汚染の結果、人間の頭に角が生えるようになったのです。
そして、言わば、放射能汚染の起きた後の地獄の情景が紹介されるのです。
   
   
●第八話:『水車村にて』

第七話とは打って変わって、天国のような情景が描かれています。
美しい自然と美しい水です。
人々は調和をして生き、自然と共に暮らしています。
つまり、人々は天国そのもの中で暮らしています。
黒澤はその中を旅します。

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しかし、総じて言えることは、前にも書きましたが、あくまで、黒澤明の夢なので、本当に黒澤明が何かの強いメッセージを私達に伝えたいのか、それとも、ただの黒澤明が漠然と見た夢を私達に伝えたのか、これも私達にはわかりません。

だから、この黒澤明の『夢』という作品も、ちょうど、私達が夜寝ている間に見ている夢と同じ感覚で見ないといけないのです。
ですから、人によって、様々な解釈が生まれるのです。
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また、この作品『夢』を見て、ある人は中世ヨーロッパのイタリアのダンテを思い出すでしょう。
ダンテは『神曲』という作品を書きました。
その『神曲』の中で、ダンテは「地獄」「煉獄」「天国」を訪れ、その様子を私達に見せてくれています。

ですから、この黒澤明の『夢』は、現代版の『神曲』と言えるかもしれません。
また、黒澤明が現代のダンテと言えるかもしれません。
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他にも、面白い短編や美しい短編が収録されているので、この黒澤明の『夢』は面白い作品だと思います。

しかし、私が言いたいことは、上のインパクトの強い作品を見て、人々は選択を迫られているかと思うのです。
普通、私達は自分の目標を心に抱きます。
「目標」とは、よく「夢」と言われます。
つまり、常日頃、心の中で抱くイメージ、つまり、「夢」をずっと、心の中に抱き続けていれば、やがて、その夢(目標)が現実化するのです。
その夢が現実化されるまで、人によって時間がかかりますが、いつの日にか、その夢は達成されて、現実化されるのです。
「なぜ、夢がすぐに現実化されないのか」と、人はよく言います。
夢の実現化には、ある程度の時間が必要だったり、あるいは日頃の生活や、何かの条件や、自分の人生行路のために、その夢に変更がかけられたりするので、夢がすぐに現実化しないかと思います。

ですから、多くの人々の進む方向の夢が、第七話:『地獄の鬼たち』の方向であれば、それがいつの日にか現実化してしまうでしょう。
しかし、第八話:『水車村にて』の方向であれば、それがいつの日にか現実化するでしょう。
例え、今、何かの困難な状況を抱えて、夢とは違う状況の中に私達が居たとしても。

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この『夢』という作品の制作された年を見ると、1990年でした。

ですから、第六話:『富士山爆発』という作品を今見て、今(2011年11月)から21年前に、福島原子力発電所の事故を夢で予言していたのではないのでしょうか?
私はそんな感じがします。
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もし、私達が何かの機会で、情報の真偽までは問わないまでも、「宇宙の中に地球以外にもっと平和で安心して暮らせる星がある」という情報があるならば、人々は、そちらの星に移住しても良いかと思います。
地球の他に安心して暮らせる星があるならば、そちらに移住する権利が人にはあると思います。
また、同時に、「私はどうしても地球にいたいのだ」という人がいるならば、そういう人は地球に残っていても良いと思います。
その辺は自由だと思います。

私達でも、「他の国に移住して、そこで永住したい」という人もいるでしょう。
また、現に、そのような自由は許されています。
また、荒れた国があっても、「私達はどうしても、この国に住み続けたいのだ」と言うならば、それもその人の自由でしょう。

それと同じような感じで、「私は地球に居たくないのだ」と思う人がいたら、ずっと、その夢を胸に抱いていれば、いつの日にか、その夢は達成されると私は思います。
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居場所を選ぶ自由もありますが、未来を選ぶ自由もあるでしょう。
この黒澤明の『夢』のように、個々の人が地球の明るい未来を選ぶのか、それとも、悪い未来を選ぶのかも、それも個々の人の自由でしょう。

多くの断片的な情報を手にして、個々の人が自分の胸の中に、自分の『夢(未来)』を思い描き、その未来を自分自身で選び取るべきかと私は思います。

               
               
                坂本  誠

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