六十二: 100億分の1の愛

互いに愛し合っていた花同士が、寄り添っていた。Img7d9465f44b03
ある日、人間がやって来て、雌花の方を持ち去り、星の裏側まで、持って行ってしまった。
雄花は苦しんだ。
雄花は枯れる前に100億粒もの花粉を飛ばした。
100億粒の花粉は世界に向かって、飛び立って行った。
時間が経った。
雌花も、何回も世代を超えて、花を付けて行った。
やがて、雄花から来た、たった一つの花粉が、雌花にたどり着いた。
100億分の1よりも小さな確率で、再び、愛は成就した。

http://www.asiawave.co.jp/bungeishichoo/bsessay/sakamotomakoto.htm

(アジア文化社の『文芸思潮』にも掲載されています。他にも掲載されていますので、よろしければ、ご覧下さい。)

         坂本誠